令和2~5年度理事長ご挨拶

一般社団法人 日本耳科学会
理事長 欠畑誠治

「初心忘るべからず」
世阿弥の有名な言葉です。これは物事を始めたときの最初の志を忘れてはいけない、と一般には思われているかもしれません。しかしこれは、人生の折々で、それまでの自分を捨て、新しい自分に挑戦することだと教えていただきました。
これまで日本耳科学会は、先日の第30回耳科学会総会の30周年特別企画を見てもわかるように、世界に誇る素晴らしい花々を残してきました。これからさらに新しい大きな花を咲かせるためには、これまでのやり方にとらわれず、新たな挑戦をしなければなりません。

「古人の跡を求めず、古人の求めたるところを求めよ」
私の好きな芭蕉の言葉です。これもまた、目指すべき目標に到達するためには、先人が今までやってきた跡を追うだけではなく、自分独自の新しい方法や、その時その時の最新の方法や手段を用いて挑戦していくべきものだ、という意味だと捉えております。

耳科学は未知なる魅力に溢れています。
その未知の扉の一つ一つを開けていく、その時のドキドキ感ワクワク感、それが一番大切だと思っています。私たち一人一人が力を合わせ挑戦していけば、扉の向こうに大きな花を咲かせることができると考えています。

私たちは同じ未来を見ています。
その未来とは、耳科学という学問、耳科の臨床を通じて、世界をより良いものにしていくという未来です。世界中の人々を笑顔にするという未来です。耳科学という可能性に挑戦していく未来です。

日本耳科学会は、そんな挑戦し続ける会員の皆さんを、勇気づけ、後押しできる学会であり続けたいと思っています。