平成24〜25年度理事長ご挨拶
伊藤 壽一
平成24年10月の第22回日本耳科学会総会で理事長を拝命しました伊藤壽一で御座います。一言ご挨拶申し上げます。
これまで日本耳科学会には本来の学会の使命である学術の振興以外に、法人化への移行という大きな仕事がありました。法人化への移行に関しては色々意見もありましたが、多くの学会が法人化へ向かっていること、また学会のステータスを維持するためにも必要ということから一般社団法人に移行することとなりました。関係の方々の多大のご努力のお蔭で、移行手続きがほぼ完了し、あとは認可を待つだけとなっております。
もう一つの学会の流れは学会のグローバル化ということであります。耳科学を発展させるには基礎部門はもとより臨床部門でもグローバル化は必須の事項であります。これまで本学会は米国 Otology & Neurotology 誌と提携を密にし、第1回アジア耳科学会を主催し、また今秋トルコで行われる1st Global Otology Research Meetingとも連携をするなど会員の意識を少しでも世界に広げるよう努力をしてきましたが、今後も機会を見つけてはこのような働き掛けは必要を思われます。
一方、耳科専門医に関してはこれからも引き続き討議しなければいけない問題であります。これまで耳科専門医、耳科手術指導医などsubspecialty 問題については議論を重ねており、現時点でもある一定の同意が得られた状態ですが、まだ制度として確立したわけではありません。専門医認定機構の指針は遵守しなくてはいけないのは当然ですが、ある程度は本学会独自の制度を確立する必要もあると思われ、引き続き議論を継続していく予定であります。
元より本学会のような学術団体の目指すものは学術の向上と医療を通した社会貢献であります。学会役員の方々には学会がその方向に向かいやすくなるような制度作りをお願いすると同時に、会員の方々からは様々なご意見、ご指導を頂きたいとお願いする次第であります。よろしくお願い致します。