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理事長挨拶

一般社団法人 日本耳科学会
理事長 村上信五

村上信五(日本耳科学会理事長)

平成28年10月に開催された日本耳科学会総会において、小川 郁前理事長の後任として理事長を拝命しました村上信五でございます。日本耳科学会理事長就任にあたり一言ご挨拶を申し上げます。

ご存知のように、日本耳科学会は平成3年(1991年)に日本臨床耳科学会と日本基礎耳科学会の統合により設立されました。前身である日本臨床耳科学会は、昭和36年(1961年)に発足したOto-microsurgery懇話会から、一方、日本基礎耳科学会は内耳生化学懇話会から発展した学会ですので、日本耳学会は半世紀を越える歴史を持っています。そして、20年後の平成24年には任意団体から法人格を有する一般社団法人に昇格しています。会員は現在、約3,000名を有し、日本耳鼻咽喉科学会に関連する学会の中で最大級の学会に成長してきました。これもひとえに、歴代の理事長はじめ役員の方々の指導力と尽力、そして各種委員会の委員、会員の皆様の熱意と協力の賜物であると感謝しております。

平成とともに歩んできた日本耳科学会の近年の活動をみると、まず、2006年の小児急性中耳炎のガイドラインの作成に始まり、2015年には小児滲出性中耳炎のガイドライン、2016年には難治性中耳炎であるANCA関連血管炎性中耳炎のガイドラインも発刊されました。また、人工中耳(VSB)のガイドラインも作成され、耳管開放症に対する耳管機能検査マニュアルも定期的に更新されています。さらに、耳科学の研究や教育に向けての側頭骨標本のデータベース化や側頭骨解剖の指針作成も進行中です。世界を見据えてのグローバル化に関しても、米国Otology & Neurotology誌との連携をはじめ、2012年のThe First Asian Otology Meeting & The 3rd East Asian Symposium on Otology(喜多村 健会長)、The 9th International Conference on Cholesteatoma and Ear Surgery(高橋晴雄会長)、2014年のInner Ear Biology Meeting(伊藤壽一会長)、2015年のThe 30th Politzer Society Meeting(高橋 姿会長)などの国際学会をサポートしてきました。また同時に、中耳真珠腫進展度分類や小児滲出性中耳炎のガイドラインも英語版を作成し、世界に発信しております。

今後さらに、日本耳科学会を発展させるには何をすべきか。日本耳科学会は「何のために、誰のために存在するか」。これらは、会員の皆様と一緒に考えていかなければならない課題です。定款には、日本耳科学会設立の目的は「耳科学とこれに関連する学問の進歩発展を図ること」と明記されています。医学系学術団体であることから当然の理念ですが、耳科学の進歩と発展の先には、その成果が国民に還元され、健康と生活の向上に寄与することが大切です。会員ファーストと言いたいところですが、まずは患者ファーストの精神が大切で、会員への恩恵は後から付いてくると信じています。直近の課題として、①手術を含めた耳科診療のデータベース化、②耳科医療機器や医療材料のDevice Lagの解消、③日本発の基礎研究、新規医療技術の開発と実用化、④耳科手術に対する技術認定制度、などが挙げられます。耳科手術の技術認定に関しては、平成22年に発足したSubspecialty委員会の活動で「耳科手術指導医制度」の試案が完成しつつあります。課題をひとつずつ、皆さまと一緒に解決して行きたいと考えております。

最後になりましたが、日本耳科学会がさらに発展するには、耳科学会としてのIdentityを堅持しつつ、多様性を活かし、時代の変化を機敏にキャッチして順応していくことが肝要です。日本耳科学会理事長として、今後2年間、皆様とともに職務を遂行することとなりますが、日本耳科学会会員はもとより、日本耳鼻咽喉科学会ならびに関連する学会の関係各位におかれましては、日本耳科学会の運営に絶大なるご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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